4月より心臓血管外科外来の診察を開始致しました。
心臓血管外科は、その名の通り心臓や大動脈、末梢血管などの血管の治療を専門に行う診療科で、バイパス手術や人工弁、人工血管置換術、大動脈瘤の手術などを行います。
また、循環器科と心臓血管外科は互いに心臓や血管の疾患を専門に扱う診療科ですので、両科は互いに協力し合い、患者さん個々に合った最適な治療を展開致します。

順天堂大学
天野 篤 教授
当院での手術は、個人での年間手術症例数が常に全国でも3位に入る順天堂大学天野教授をはじめ、順天堂大学准教授などによる手術チームを組織し、行われています。
また、当院循環器内科及び、順天堂大学医学部心臓血管外科(東京・本郷)との密接な連携のもとに、安全かつ、それぞれの患者さまにあった適切な治療を提供しております。
冠動脈バイパス術
冠動脈が狭窄・閉塞すると心筋に血液が十分に供給されなくなり、狭心症や心筋梗塞をおこします。その名の通り、狭いところには手をつけず、バイパス血管(うかい路)を作ります。狭い部分より先にバイパス血管をつなげてあげることで血流をよくする手術です。
バイパス血管は自分の体の血管を使用いたします。よく使われる血管には内胸動脈(胸板の裏にある動脈)、右胃大網動脈(胃の周りの動脈)橈骨動脈(手の動脈)、大伏在静脈(足の静脈)などがあります。
心拍動下手術について
近年、冠動脈バイパス術を行う際に、心臓を停止させず心臓が拍動したまま、手術を行う方法が行われるようになってきております。
- 合併症が少ない
- 心臓への負担が少ない
- 全身への負担が少ない
- 回復が早い
このため、当院では、なるべく多くの方にこの方法で手術をしたいと考えていますが、必ずしもみなさんに行うことが出来るわけではありません。
- バイパス手術だけを行う方にしか出来ない
- 冠動脈が心臓表面になければならない
(血管が脂肪や筋肉の中に埋もれていると出来ない) - 冠動脈が性状不良(細い、動脈硬化が強い)場合には困難
- 血圧や心拍がしっかりと維持出来なければならない
最終的には手術中の判断となります。
弁膜症手術
弁とは、心臓の4つの部屋や大血管の間にあり、血液の流れが効率よく、一方通行となるように働く扉です。この弁が何らかの原因により(リウマチ、先天性、感染、心筋梗塞、心筋症、変性、加齢等)うまく働かなくなったのが弁膜症です。
- きちんと閉じない → 逆流・もれを生じる(閉鎖不全症)
- きちんと開かない → そこを通るためには余分な力が必要となる(狭窄症)
急に発症する場合とゆっくり発症する場合があり、ゆっくり発症した場合、自覚症状が乏しいこともあります。しかし、放置しておくと心臓に負担がかかり、心臓の働きが悪くなったり、不整脈を起こすことがあります。
弁置換術といって壊れた弁を人工弁に取り替える手術や、弁形成術(おもに僧帽弁に対して行われます)といってご自身の弁の悪いところを修復して機能を取り戻す手術が行われます。
弁形成術の1例

大動脈手術
大血管の病気には大動脈瘤、大動脈解離があります。
大動脈瘤
大動脈瘤とはその字の通り、動脈が拡大(ふくれてくる)してきて、こぶのようになった状態を指します。原因としては、動脈硬化、弁膜症の影響、高血圧、大動脈壁の弱い(体質、遺伝疾患等)、リウマチ、梅毒、その他の感染、大動脈解離等があります。拡大がひどくなると(瘤の形や患者さんの状態にもよりますが、胸では直径6cm以上お腹では直径5cm以上を目安としています。)、破裂の危険があるため手術が必要です。大動脈瘤は、もし破裂したらその死亡率は非常に高く、80〜90%にも上るといわれています。手術は拡大した大動脈を人工血管に取り替えたり、縫い縮めたりします。人工血管は化学繊維で織った布を筒状に加工して作られています。
上行大動脈人工血管置換術

人工血管

大動脈解離
大動脈の血管の壁は、3層の膜によって構成されていますが、動脈硬化や遺伝性の病気などで動脈の壁が弱くなってしまったり、外傷等の物理的な損傷等によって、その膜の間がはがれて裂けてしまう病気です。血管の内側の壁がはがれてしまうと、臓器への血液の通り道がふさがれてしまい、様々な障害を引き起こします。手術は、裂けてしまった場所の血管を人工血管に取り替えます
以上、代表的な疾患を紹介させていただいておりますが、症状や病気の経過、合併症などはその方によって様々であり、その方にあった治療方法は、実際に診察を受けていただかないと最終的な判断をくだせないことも数多くあります。是非、心臓血管外科外来を受診していただくよう、お待ちしております。また、順天堂大学心臓血管外科 天野 篤教授の指導のもと手術を行っております。順天堂大学(順天堂医院)と患者さんの病状を協議し、必要に応じて大学病院での治療を行うこともあります。
岩村医師 毎週火曜日・金曜日
森田医師 毎週木曜日
外来担当医 第1・3土曜日
岩村 泰 医長

医学博士
所属学会
日本心臓血管外科学会
日本血管外科学会
日本胸部外科学会
日本外科学会
履歴
| 2003年 | 東海大学医学部卒 東海大学医学部付属病院 |
|---|---|
| 2005年 | 東海大学医学部大学院 東海大学病院 心臓血管外科 |
| 2006年 | 順天堂大学医学部付属順天堂医院 心臓血管外科 |
| 2008年 | 順天堂浦安病院 心臓血管外科 |
天野 篤 (非常勤)
国内屈指の心臓外科手術件数を有する順天堂大学天野教授による執刀もしくは指導のもと、診療にあたっております。

順天堂大学医学部・大学院医学研究科 教授
順天堂医院 心臓血管外科 科長
日本外科学会指導医
日本胸部外科学会指導医
日本循環器学会専門医
3学会構成心臓血管外科専門医(日本胸部外科学会、日本心臓血管外科学会、日本血液外科学会)
専門分野
虚血性心疾患(off-pump冠動脈バイパス術)
弁膜症(弁膜症再建外科)
履歴
| 1983年 | 日本大学医学部卒業 |
|---|---|
| 1983年 | 関東逓信病院(現NTT東日本病院) 臨床研修医 |
| 1985年 | 亀田総合病院心臓血管外科研修医 |
| 1989年 | 亀田総合病院心臓血管外科医長 |
| 1991年 | 新東京病院心臓血管外科科長 |
| 1994年 | 新東京病院心臓血管外科部長 |
| 2000年 ~2001年 |
岡山大学医学部心臓血管外科非常勤講師 |
| 2001年 | 昭和大学横浜市北部病院循環器センター長・教授 |
| 2002年 | 順天堂大学医学部心臓血管外科教授 |
森田 照正 (非常勤)
順天堂大学医学部・大学院医学研究科准教授
順天堂医院 心臓血管外科
専門分野
成人心臓外科(冠動脈疾患、弁膜症、不整脈等)
大動脈外科
血管外科
低侵襲心臓手術
山本 平 (非常勤)
順天堂大学医学部・大学院医学研究科 准教授
順天堂医院 心臓血管外科 医局長
専門分野
心臓血管外科全般
虚血性心疾患
心臓弁膜症











