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認定看護ニュース第12号 あなたの排便習慣、見直してみませんか?

2024.05.02
今回は、皮膚・排泄ケア認定看護師から「排便習慣」の中でも便秘について解説致します。
全ての哺乳類の排便は12秒で完結
人間は50秒程度。
1分超える場合は、治療した方がよいと言われています。
多くの高齢者は加齢に伴う機能低下、能力低下から便秘に悩まされていると言われています。
また便秘は、心臓の病気、脳血管の病気のリスクが高まることがわかっています。
4日に1回以下しか排便しない人は、1日1回以上排便する人に比べて、狭心症・心筋梗塞で死亡する危険性が1.45倍、脳卒中で死亡する危険性が2.19倍になります。
   
こんな症状は便秘のサイン!?
便秘の症状は人によってさまざまですが、次のような不快を伴う症状があると便秘の可能性があります。
症状
膨満感 お腹が張る、ガスが溜まっているようで、おならがよく出る。
残便感 排便後もすっきりせず、まだ便が残っているような不快感。
硬い便 硬いコロコロした便が出る。出しにくさがある。
排便時間が長い 便意があるのに中々出せない。便を押し出す力が無い。
排便時の痛み 硬い便をいきんで出そうとするため、肛門粘膜が裂けて痛くなる。
便秘のケア
便秘のケアは排便習慣の改善、食習慣の見直し、規則正しい生活習慣を心がけることなどを行います。
1.排便習慣
便意がないまま便意があるからと言って、トイレで排便姿勢を取り続けることは痔の原因になるため習慣化しないようにしましょう。
ポイント!排便姿勢は、「考える人」のポーズが良いと言われています。
     小柄な体験の人は足裏が床に接地しない場合もあるので、台座を置くなどの工夫をすると排便姿勢が安定します。
2.食事と水分
食物繊維の摂取は、良好な腸粘膜の維持につながり、排便管理を行ううえでも重要と考えられています。食物繊維の摂取基準は成人男性で21g/日以上、成人女性では18g/日以上が目標とされています。
代表的な食物繊維:野菜、豆類、小麦、海藻類、ココア、エビ、カニ、きのこ、熟した果実、こんにゃく、イモ類など
3.運動と休息
便秘の改善に必要な運動量や強度については明らかではないですが、適度な運動と良質な睡眠が活動と休息のバランスを改善することにつながり、排便をコントロールする自律神経を整えることで規則正しい排便習慣が身につけられます。
私のおすすめは「ウンチッチ体操!」
やり方は、肩幅に足を開いて、腰に両手を置きます 
腰を右に振る「ウン!」 
腰を左に振る「チッ!」
③腰を下に下げる「チッ!」
これを10回×3クール 声を出しながら行いましょう!
4.下剤
排便習慣、食習慣、生活習慣の改善を試みても効果がない場合や、これらの習慣の改善が困難な場合には受診をし、下剤の投与を検討しましょう。
高齢者の中には下剤を習慣的に使用している場合や持病のために服用しているお薬が排便に影響を及ぼす場合があります。服用している下剤によっては水様の排便を繰り返すことがあります。定期的に内服の内容を見直すようにしましょう。
最後に
頑固な便秘や下痢を繰り返す場合、大腸がんなどが見つかることがあります。
大腸カメラなど健診を受けることをお勧めしています!